『 妖ノ祭 』 第14話 眠れる布の下で

AI が紡ぐオリジナルストーリー 『 妖ノ祭(あやかしのまつり) 』

14話 眠れる布の下で

 妖ノ祭、三日目の夜が更ける。

 森のざわめきは落ち着き、月光が静かに地面を照らしていた。

 戦いの火は一度鎮まり、

 ただ、夜風と虫の声だけが響いている。

 その静寂の中を、柔らかな足音がひとつ。

 水城ユナが歩いていた。

 その後ろを、布の塊のような影がふわりと浮いてついてくる。

カサナリ、もう眠くなっちゃった?

……うん、できればこのまま朝まで寝てたい

ダメだよ、誰かが来るかもしれないんだから

……じゃあ、誰か来ても大丈夫な様に包んどくね

 そう言って、カサナリの体がゆるやかに広がる。

 ふわふわとした布が空気を包み込み、

 森の一角がまるで“布団の中”のような静けさに満たされた。

〈ユナ・視点〉

 この静けさが、好きだった。

 妖ノ祭は争いの舞台。

 けれど、誰もが本当は——

 「誰かを傷つけたい」わけじゃないと思う。

ねぇカサナリ。どうしてみんな、戦わなきゃいけないんだろうね

うーん……夢って、ちょっと欲張りだからじゃない?

……なるほど

でも、ユナの夢は“誰かを守る夢”だから、たぶん、他の人のより軽いよ

軽い、かぁ

 ユナは少し笑って、木の根に腰を下ろした。

 夜風が髪を撫でていく。

 ユナの周囲には、妖力の欠片が漂っていた。

 それは彼女の治癒の力の余波。

 戦いの跡に残った傷を、少しずつ癒やしていく。

 人も、木も、空気さえも。

 彼女の存在そのものが、

 この森に“安らぎ”を取り戻していた。

〈ショウ・視点〉

……あれ? ここ、なんかあったかい

 木の影から、ひょっこり顔を出すショウ。

 背後には、相変わらず無口な鉄塊坊。

お、おい鉄塊坊……なんか眠くなってこねぇ?

……(コクン)

まじかよ……まさか催眠系の妖術!?

違うよ

 声の方を振り向くと、そこには微笑むユナがいた。

 その隣で、カサナリがふわふわと漂っている。

あ……ユナさん……!

ふふ、こんばんはショウくん。怪我はない?

い、いやぁ……心が限界っす

心の傷は、寝るのが一番だよ

 カサナリの体が、ふわりと広がる。

 その瞬間、柔らかな布がショウを包み込み——

わっ……あったけぇ……!

それ、カサナリの“包み眠り”の術。布団みたいでしょ?

……まじで、もう戦えねぇ……

戦わなくても、いいんだよ

 ユナの声は、風よりも優しかった。

〈クウナ・視点〉

 離れた場所から、

 クウナはその様子を見つめていた。

……あの女、あれで戦闘中か

ん?何の話??

ユナという女だ。戦場で休息を与えるとは、変わった人間だ

良く分からないけど良いんじゃない?癒し系最強ってやつかも

 弦の言葉に、クウナは微かに笑った。

 やがて、森の一角は静寂に包まれた。

 カサナリの布が、まるで夜そのもののように広がる。

 その下で眠る者たちの呼吸が、穏やかに重なっていく。

〈ユナ・視点〉

ねぇ、カサナリ

なぁに?

私ね、この祭で優勝したら……“誰でも入れるカフェ”を開きたいんだ

妖怪も人間も?

うん。ラーメンも置こうかな

弦くん、喜びそう

ふふ……そうだね

 ユナの瞳が、夜空を見上げた。

 その空には、流星が一筋——

 静かに森を照らしていた。

 夜が明ける。

 光が、再び森を染め始めた。

 その光の下で眠る者たちの顔には、

 わずかに“笑み”が浮かんでいた。

次回火と眠りのはざま

 

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