AI が紡ぐオリジナルストーリー『妖ノ祭(あやかしのまつり)』
第22話 導かれし邂逅
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妖ノ祭、六日目の午後。
森の霧はまだ晴れず、
赤い光が木漏れ日を染めていた。
その中を、一組のペアが静かに進んでいた。
最下位の人間・中谷弦と、最強の鵺・クウナ。
空気が淀んでいる。
鳥の声もない。
ただ、どこかで“熱”のような妖気が渦を巻いていた。
「……さっきから感じるね」
弦が低く呟く。
「そうだな。……でも、これはさっきまでのものとは違う」
「違う?」
「もっと古くて、深い。……“人間の怒り”よりも、“歴史の残滓”に近い」
クウナの言葉に、弦は眉をひそめた。
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その頃、同じ森の奥。
もう一組のペアが、ゆっくりと歩いていた。
片桐シュウゾウ——
かつて人間ランキング1位、伝説の剣士。
隣には、巻物の姿をした大蛇の妖怪、ヤトノカミ。
老いた身体を支えながらも、
彼の歩調には一切の迷いがなかった。
「……強者が来るな。風が騒いでおる」
ヤトノカミの低い声が、巻物の奥から響いた。
「うむ。“強き者の匂い”がする。……この祭も、なかなか腐らないものだ」
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〈クウナ・視点〉
風の流れが変わった。
空気が震える。
「弦、止まって」
「え?」
次の瞬間、足元の草が裂けた。
一本の木の葉が弾け飛ぶ。
——剣圧。
見えない刃が通り抜け、
弦の頬をかすめた。
「うわ!いきなりなに?!」
「避けたか……。見事な反応だ」
木陰から現れたのは、白髪の老人。
赤い外套を羽織り、腰に一本の古びた刀を下げていた。
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〈中谷弦・視点〉
「……あなたがやったんですか?」
「うむ。試しただけだ」
弦は一瞬、呆気に取られた。
敵意よりも、“純粋な好奇心”を感じたからだ。
「試しただけって、試し方ってものがあるでしょうよ」
「名と夢を聞こう」
「中谷弦。……夢は世界一美味いラーメンを食べること」
「ふむ、妙な夢を持つ者ほど強い」
老人は静かに名乗った。
「片桐シュウゾウ。この祭りの元“最強”だ」
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〈クウナ・視点〉
「……片桐シュウゾウ。懐かしい。何十年前に複数回優勝した“伝説の剣士”。なぜ今更、出てきた?」
「退屈だからだ。——暇を潰すには、命を懸けるのが一番楽しい」
その笑みは穏やかでありながら、
背後の空気を震わせる圧を持っていた。
「お主らも、ただの若造ではないな。鵺の匂い……懐かしい」
シュウゾウの視線がクウナを射抜く。
「鵺。かつてわしも、お前のような“異端”を見た。その時も、こうして世界がざわついておった」
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〈ヤトノカミ・視点〉
『……老人よ。やりすぎるな。この森はまだ生きておる』
「分かっておる、ヤトノカミ。だが——どうやら、わしの剣はまだ錆びてはおらんようだ」
ヤトノカミは沈黙する。
その声の底には、わずかな“期待”があった。
(……この少年、何かを持っておる。赤い布……妙な妖力の揺らぎ。まるで、妖の祭の力のような)
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風が鳴る。
地面を包む霧が濃くなる。
弦とクウナ、シュウゾウとヤトノカミ。
それぞれのペアが対峙し、
四人の間に静寂が流れた。
「……戦う気ですか?」
「違う。“確かめる”気だ」
シュウゾウの瞳が細まる。
次の瞬間、刀がわずかに傾いた。
その刃先が、風を割る。
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〈弦・視点〉
(殺気がない……けど、逃げられない)
体が自然に構える。
頭のハチマキが、微かに震えた。
「クウナさん!」
「ああ、分かってる。——来るぞ」
霧の中で、空気が弾けた。
目に見えない刃の波が押し寄せる。
弦の瞳がその軌跡を追った。
心臓が早鐘を打つ。
体の奥で、何かが疼いた。
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この邂逅は、偶然ではなかった。
伝説の剣士と、無能力者の少年。
過去と未来の剣が交わる瞬間。
その時、
弦の胸の奥で“何か”が静かに目を覚まし始めた。
「導かれた出会いが、運命を変える。それは試練か、覚醒か——まだ誰も知らない。」
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次回『赤の覚醒』
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