『 妖ノ祭 』 第7話 ときめきの檻

AI が紡ぐオリジナルストーリー 『 妖ノ祭(あやかしのまつり) 』

第7話 ときめきの檻

⸻

 妖ノ祭、2日目の昼。

 深仙郷の東の森——陽光が差し込み、桃色の花が咲き乱れる。

 その場所は、戦場とは思えぬほど美しかった。

 けれど、それは“恋の幻想”が作り出した仮初の楽園。

 そこに足を踏み入れたのは、

 最下位と最強のペア——中谷弦とクウナ。

 そして、彼らを待っていたのは──

 恋を武器にする少女だった。

⸻

〈弦・視点〉

「なんだここ……テーマパーク?」

「妖力の波が異様に明るい。……感情系の術だ」

「感情系?」

「幸福、恋、興奮。そういった“高揚”をエネルギーにするタイプ」

 クウナが言い終えるより早く、

 花びらの間から声が響いた。

「は〜いっ♡ ようこそ、“ときめきゾーン”へ!」

 光の粒と共に現れたのは、ピンクの衣装を纏った少女。

 笑顔のまま、両手でハートを作る。

「星乃ココロですっ! トキメキ担当のハートフルヒューマン♡」

 肩に乗った蜂の妖が羽音を立てる。

 ハート型の触角が揺れ、声が弾けた。

「ドキドキ担当のハートフルモンスター、ドキンバチでーす!ときめきを増幅して、世界をピンクに染めるのが夢っ!」

 あまりに眩しすぎて、

 思わず口元が緩んだ。

⸻

〈クウナ・視点〉

「弦、目を逸らせ」

「え? いや、別に——」

「幻惑が始まってる」

 周囲の空気が変わった。

 音が柔らかくなり、重力すら軽くなるような感覚。

 感情が、引き出されていく。

 ——“楽しくなってほしい”という意思。

 だが、それは支配に近い。

「ようこそ、恋のバトルゾーンへ♡」

 ココロが指を鳴らす。

 木々の花が一斉に咲き誇り、ピンクの霧が立ち込めた。

⸻

〈ココロ・視点〉

 あ〜、かわいい顔してる。

 この人、戦う時も絶対“守ろうとする側”のタイプ。

 こういう人が一番、恋の爆発に弱いのよね♡

「ねぇ、怖がらないで。ドキン、行くよっ!」

「了解〜〜〜♡ どきどきビーーーム!!!」

 触角から光がほとばしる。

 “ときめき”が波のように広がり、森全体を包み込む。

 男の子(弦)の頬が、うっすら赤く染まった。

⸻

〈弦・視点〉

「……やばい、なんか……すごい楽しい」

「弦、自分を保て」

「だって、なんか全部キラキラして……!」

 クウナの風が弾けた。

 ピンクの霧が一気に払われ、

 花びらが弾け飛ぶ。

「この術、感情操作型の妖力だな」

「ひど〜いっ、そんな風に言われ方されると可愛くない!ショック♡」

「ショックも恋の一部、だろ?」

「そうだよ♡ 恋って、全部の感情をまとめて爆発させるものだから!」

⸻

〈ドキンバチ・視点〉

 うわ〜〜〜! エネルギー上昇っ!

 ココロちゃん、やりすぎやりすぎっ!!

 ときめき値、限界突破してるって!

「大丈夫だよ、ちょっとくらいドキドキした方が楽しいじゃん♡」

「や、ほんとにヤバイってば!!」

 バチッ!!

 触角がスパークした。

 ピンクの光が弾け、空気が震える。

「爆発するよッッ!!」

⸻

 轟音が森を貫いた。

 桃色の花が吹き飛び、地面が揺れる。

 ドキンバチの能力、周囲のときめきの感情を妖力に変えて爆発させる能力。その能力で操作しきれない程に“ときめき”が限界を超えて——暴発した。

 ピンク色の閃光とともに、

 周囲の木々が宙に浮き、光の泡に包まれる。

 弦が咄嗟にクウナを庇い、

 クウナが風で衝撃を逸らす。

 爆風が、双方の間を裂いた。

⸻

〈弦・視点〉

 視界が真っ白になった。

 音が遠のく。

 気がつけば、俺は地面に倒れていた。

「弦!」

 クウナの声が聞こえる。

 なんとか目を開けると、遠くの方で、

 ピンクの煙の中から声が響いた。

「はぁ〜〜……ごめんね♡ドキンがちょっとテンション上がっちゃって〜♡」

 その声は軽やかで、

 まるで遊びの延長のようだった。

「また遊ぼうねっ!次は、もっと“深い恋”を見せてあげる♡」

 そして、風に乗って彼女たちは消えた。

⸻

〈クウナ・視点〉

「無駄に派手な奴らだ……」

「でも、悪意はなかったっぽいよね」

「悪意がない分、厄介だ」

 クウナは風を止め、弦のハチマキを直した。

 その横顔に、わずかに呆れたような笑みが浮かぶ。

「弦。次に会ったら、幻惑に耐性を持て」

「……努力します」

 空にはまだ、かすかにピンクの雲が漂っていた。

⸻

 深仙郷の空に、恋の残り香が広がる。

 その匂いを風がさらい、

 朱の光と混じり合って消えていく。

 笑顔と爆発の後には、

 誰もいない静かな森が残った。

⸻

次回『やさしさの境界線』

 

前回『 妖ノ祭 』 第6話 群青の剣士

『 妖ノ祭 』はじまりの第1話 封じられた夜、朱の光

【妖ノ祭】の世界観やルールは↓から

AI が紡ぐオリジナルストーリー 『 妖ノ祭(あやかしのまつり) 』 連載開始!

妖の祭 注目参加者紹介

コメント

タイトルとURLをコピーしました