『 妖ノ祭 』 第6話 群青の剣士

AI が紡ぐオリジナルストーリー 『 妖ノ祭(あやかしのまつり) 』 

6話 群青の剣士

 妖ノ祭──2日目の朝。

 深仙郷の中央部、古い道場跡。

 そこに響くのは、木刀の打ち合う音。

 戦いというよりも、祈りのような律動。

 その中心に、一人の青年がいた。

 深仙郷で最も力強く、最も静かな剣士。

 志岐 真(シキ マコト)

 そして彼の背後に立つ、巨大な影。

 斑獣 ジン(ハンジュウ ジン)

 動かぬ巨躯。だが、息づく力は山の如し。

〈志岐真・視点〉

……呼吸が早い

 目の前の若者が、膝をつく。

 彼のタスキは、わずかに焦げていた。

 風を操る妖と組んでいたが、すでに妖は気絶している。

 俺は木刀を下ろし、軽く息を吐いた。

悪いな。俺は“勝つため”ではなく、“確かめるため”に剣を振っている

 青年は何も答えず、タスキを地に置いた。

 勝敗は決した。

 俺の手に、赤いタスキが残る。

 妖ノ祭とは、本来“願い”のための戦い。

 だが俺にとっては、己の剣がどこまで通じるかを確かめる修行だ。

 強者に勝つことではない。

 強さを“正しく使う”こと——それが俺の信念だった。

〈斑獣ジン・視点〉

 マコトの剣の軌跡。

 それは風のように静かで、雷のように鋭い。

 俺はその背中を、ただ見守っていた。

 必要な時以外は動かない。

 だが、それでいい。

ジン。次の相手は北の渓谷に向かったらしい

戦うのか

……うむ。だが、戦うより“教える”時間になりそうだ

 マコトはそう言って、わずかに笑った。

〈志岐真・視点〉

 道場跡に夕陽が差し込む。

 ジンが座ったまま、俺に問う。

マコト。お前の“夢”は何だ

最強の剣術道場を作ることだ

この祭で、それは叶うのか

さぁな。だが、挑戦する価値はある

 俺は空を見上げた。

 深仙郷の空は、どこまでも静かだ。

 この静寂の裏で、何かが歪み始めている気がする。

 地の底から、かすかに鼓動が響いていた。

 その音に気づく者はまだ少ない。

 だが確かに、妖ノ祭の“根”が蠢いている。

 力を求める者。

 夢を信じる者。

 怒りを燃やす者。

 それぞれの信念が交差する時、

 “根”は“牙”を剥く。

次回『ときめきの檻

 

前回『 妖ノ祭 』 第5話 封印の祠

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